ヌプリロ

お山のフリーペーパーPO!の編集長が気ままに書くブログ

果たして私の書いている文章はどうなのかといつも思う

フリーペーパーを5年作って、途中からデザイン面をお願いするようになったけど、原稿を書いたりと編集部分は今も私ひとりで作っている。作る時に創刊号から意識していたのは、私個人のことは出てこないようにすることで、読者は山の情報だけを手に取れるようにして、その裏にいる編集者のことは見えないようにしていた。そういうやり方で5年を過ごした。

2011年10月から始まって2016年9月で5年経った。フリーペーパーの最新号Vol.15の残作業も終わり今はWEBに注力している。WEBの記事も私ひとりで書いている。私はこれまで編集の仕事をしたことがない。紙媒体を5年で一区切りさせて、WEB作業を毎日していて、果たして私の書いている文章はどうなのかといつも思う。編集とはライターとはデザインとは広告とは営業とは、といつも考えているけどそれまで仕事としてやったことがないからいつも手さぐりでだいたいの状態で進んでいる。

話は変わります。

(おそらく電通の)田中さんのツイートを好きでよく見ているのだけど、
twitter.com
田中さんはライターだ。
田中さんの書く記事はとてもおもしろいのだけど、昨日こんな記事を書かれた。

www.machikado-creative.jp
「優秀なライターが持っているもの【エア対談】田中泰延のいい黄身だ」というタイトル。

ライターの仕事はまず「調べる」ことから始める。そして調べた9割を棄て、残った1割を書いた中の1割にやっと「筆者はこう思う」と書く。つまりライターの考えなど全体の1%でよいし、その1%を伝えるためにあとの99%が要る。いきなり思うことを書いて今お金もらってる人、すぐ仕事なくなるよ。
(引用:https://twitter.com/hironobutnk/status/771096483185602560?ref_src=twsrc%5Etfw


私は今まで「調べる」ということをしてきたのだろうかと思う。インタビューであれば、2015年にラジオDJのイレーネさん、イラストレーターの鈴木みきさん、ウルトラライトのローランさん、トークイベントでYAMAPの春山さんに話を聞いてきた。その後もちろん記事を書いたけど、読んだ人にその人のことが伝わっているのだろうか。

「知っていること」→「共通項を発見できること」→「普遍的価値、方法論として提示できること」が重要だなと改めて思うのです。
(これは田中さんの言葉ではなく、対談された西島さんの言葉です)


少し話はずれるが、インタビューをさせていただいてから交流が続いているイレーネさんがご自身の番組「BEATNIK JUNCTION」の最終回でこう言っていた。(番組はまだ続いています。)
「毎日ゲストと話をさせていただいていたが、途中から相手との共通項を探すようにした、そうして何か共通のものを見つければ『こんなビックなミュージシャンなのに意外と…』と親近感が沸く距離が近づく、おそらくリスナーも同じように感じるだろう」と。

「デジタルデータ? そんなものは渡せません。それはただのデータです。それはあなたが今言ったように【画像】です。印画紙に焼いたもの、そして人の感情と記憶に残るように僕が精魂こめたもの、それが【写真】です。」


ある写真家と仕事をした田中さんは撮影終了後こう言われたが、ブレードランナーデッカードの話で「あなたとはずっとこれから仕事をしよう」となったそうだ。北海道はでっかいどう。

「あのな、あったことをそのまま書いたら終わりやねん。あったことをそのまま書くほど落ちぶれたらアカン」
「リアル」というのは、「リアル」に感じさせる手の動きがないと、表現としての「リアル」ではないんですね。
「少し経った時間と、少し下がった距離」で捉え直さないと、文章は「騒がしい」だけで、かえってリアルには感じられない。
「ただのデータは【画像】です。印画紙に焼いたもの、そして人の感情と記憶に残るように精魂こめたもの、それが【写真】です。」


リアルに伝えられるように、画像ではなく写真を伝えられるように、なるのだろうか、私は。いや、でもあったことをそのまま書いているだけの気がするなぁ。結局私は何者にもなれないような気がする。

映画永い言い訳西川美和監督がインタビューでこう言っています。

私も幸夫と同じ物書きの人間独特のアンラバンスさがあるんですよね。自尊心は高いのに、健全な自信は持ち合わせていなかったりする。世間的には脚光を浴びたり、多少の才能がある人間の扱いを受ける機会もあるけれど、実情は全然違う(笑)。この作品におけるトラック運転手の陽一のように実業についている人に比べて、社会的にはとても未熟なところがあるから……。
幸夫のように、社会人として不器用で稚拙な部分が多々あるのは、虚業についた人間独特のものがあるなと思うんです。そこは私自身も、非常にコンプレックスがあって……。
(引用:https://cakes.mu/posts/14242


虚業と実業があるのであれば私は虚業に就きたいと思っているのだろうか。
この文章でいいのかなと迷いながらこれからもやっていくんだろうなぁ。


最後にそんな田中さんの顔写真を転載します。
f:id:mount_po:20161117105245j:plain
(引用:http://www.machikado-creative.jp/planning/41527/